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ブログを引っ越しました [2009-06-26]

以前はてなで書いていたエントリーをごっそり移しました。

クリエイターと呼びたい人 [2008-09-27]

※以前はてなブログで公開していたブログ(札幌のデザイン会社はIPOの夢をみるか)の引越版です。このエントリーは内容的に古くなってます。hatena内のリンクが残ってたら見逃してください。。。

 昨年ほどから考えを改め、積極的に同じ地域のWEB事業者と交流を持つようにしています。主にいわゆるプロダクションに所属するデザイナー・エンジニアの方々、フリーの方々が多いかと思いますが、あまりマネジメント層の方とはお会いする機会が少ない傾向があります。WEB系のイベントやマッチングの場などに顔を出していますが(どっちかと言えば運営側であることが多いですが)、思いの外、現場の技術系の方が多い印象があります。

 単純に、WEB系のイベント・セミナーといわれるものの多くが技術サイドに寄ったテーマであることが多いからと思いますが(でなければSEMを主とした販促系)、このことになんとなく疑問を感じています。現実としてスポンサーをつけて運営することが多いと思われるので、スポンサーが提供する製品・サービスに寄ったテーマとなることは理解できますが、そうではない、自主的・自発的に行われるものであっても、やはりスキル系の話をテーマに据えたものが多い印象です。○○を活用した最新事例を紹介、といったコマが人気なのは地域的な特徴であると思います。

 疑問というのは、簡単にいえば、なぜそんなことばっかりやってるのか、という点につきます。

 いくつかのエントリーで触れていますが、昔は広告や狭義のデザインという枠組みに置かれていたクリエイティビティが、現在は直接ビジネスモデルという形で発露されるものとなっています。ようは、昔は「あのCMはクール」と表現されていたものが、今は例えば「セカイカメラはクール」と表現され、正しい意味でのクリエイターは広告ではなくスタートアップを創っていると思います。個人的には深沢直人や佐藤卓よりははてなの中の人やニワンゴの中の人(エンジニア)のほうをクリエイターと呼びたい気がします。

 それはやはり、ばっさりと中間を排してサービスインできるネットの特性と、繰り返し行われるインフラ(主にビジネスのプラットフォームという意味で)のリノベーションが理由として大きいと思います。「WEB」ではちょっとしたアイデアでも大きなビジネスチャンスがある、というのははるか昔の心温まる伝承ですが、「WEB」という部分の言葉が随時更新されて行くので(i-modeだったりwidget/ブログパーツだったり。直近はAppStore系の話かな)、次々新規参入組が活躍できるステージがやってくるわけです。新しいステージは往々にしてルールが緩いものですから、比較的思い通りにクリエイティビティを発揮しやすいし、当然「創りたい人たち」が集積します。

 語弊はありますが、末端のデザイナーやエンジニアもそういったチャンスは等しく手にしているはずです。自戒を含めて述べますが、受託仕事で泥沼化した現状を自虐的に自慢するぐらいなら、なにか自分自身でできないか模索(考えるだけであっても)するほうがよっぽど健全である気がします。

 最初の話に戻りますが、どんなサービスがあったらうけるか・面白いか、まだだれもやってないことは何か、ということを論じるのがとても大事な気がしていますが、そういう場が(飲み会は別として)ほとんどなく、たぶん受託仕事の効率を上げるために使われるであろうツールやスキルの話ばかりしてるのは、あまりに前時代的だと思われます。疑問というのはそういう意味です。


 もちろん今後なにを始めようとしているのか、どっちを指向しているのかといった情報は極力クローズドにしておきたいものですが、自らサービスを立ち上げたい、プレイヤーとして大きいフィールドで動いてみたいという思考を持つ人・企業で、横の結びつきを持つとしたらどのようなものが考えられるか、ということが今一番興味のあることです。

 そこまで至っていないとしても、少なくともこのまま今の業務を続けても先が見えてるので何か手を打ちたい、という方・企業は多いのではないかと推測します。そういうステージでも有効な横との繋がり方というものも何かあり得るのではないかと思います。

♪ Love Me After 12AM / m-flo loves Alex

WEBデザイナーの淘汰 [2008-05-21]

※以前はてなブログで公開していたブログ(札幌のデザイン会社はIPOの夢をみるか)の引越版です。このエントリーは内容的に古くなってます。hatena内のリンクが残ってたら見逃してください。。。

 まったくの主観ですが、だれでも参入できるWEBデザインの世界は2000年頃に終わったと思っています。それまではアーリーアダプターではないグラフィック領域のデザイナーが一周遅れぐらいでWEBのほうに入ってきていて、コーディングもSEOも全く考慮せずきれいな「一枚の絵」的デザインをしていました。文字通り一枚の画像を切り分けたりクリッカブルマップを駆使したりして、「1ページに画像1枚べた貼り」というある意味斬新なことも許されていましたが、明確にはわかりませんが2000年のあたりを境に、そういった方たちは退場されていったように思います。

 そして次の2〜3年で、動的なコンテンツへの対応ができなかったデザイン会社が消えたと思います。自社で開発までやるかどうかは別として、少なくともクライアントへの提案として、データベースを活用することで何ができて何ができないのか、CMSを入れるとフローがどうなるのかといったことに対応できなければ、WEB構築を生業とする会社としてはやっていけなかったのは間違いありません。

 今はWEB標準への準拠やSEO/SEMへの対応、RSSの活用、MVCスキームでの開発サイドとの分業、リッチコンテンツの取り込みとajaxを利用したインターフェイスの構築等々、ずいぶんと必須ファクターが増えたことでプロフェッショナル化が進み、淘汰も一段落した感があります。一時期跋扈していた「ホームページ一式10万円」みたいな捨て身の肉弾系(?)WEB会社はずいぶん減ったのではないでしょうか。

 今後もWEBデザイナーの淘汰は続くことと思いますが、では、生き残るWEBデザイナーたちはどのような立ち位置に収束していくのでしょう。

クライアントのビジネスにコミットする「コンサル系デザイナー」

 今も自称コンサルタントは多数いらっしゃると思いますが、今後よりマーケットが高度化し、付け焼き刃的な、あるいは経営セミナー聞きかじり的な知識・経験では立ちゆかなくなっていくでしょう。その中で、MBA(経営学修士)や中小企業診断士の資格を持つなど、専門的で高度なビジネススキルを持ったデザイナーだけが、クライアントのビジネスに直接関与し、相当分のリスク(責任)を負いつつもコンサル系デザイナーとして生き残っていくでしょう。

高いクリエイティビティで勝負できる「クリエイター系デザイナー」

 クリエイターと呼ばれる(もしくは自称する)方たちはたくさんいますが、ここでの意味は、より具体的な「ニッチスキル」を身につけ、高いクリエイティビティを駆使して要求に応えることができるデザイナーのことです。Flashばりばり、とかとは意味が違います。少なくとも制作したものを「作品」と呼ぶデザイナーは含まれません。(フィーをもらい、要求に従って作るものは作品ではなく「案件」)

 スキル領域毎に棲み分けができ、より先鋭化した一握りのデザイナーのみ生き残るでしょう。

クライアントワークをやめ、直接サービス提供を行う「ベンチャー系デザイナー」

 ツールや各種フレームワーク、オープンソースの良質なソフトが揃ったことで、デザイナー自身の手で(あるいはプログラマーとのミニマムな連携で)高度なシステムを構築することが可能になってきました。クライアントワークをやらず、直接ユーザーを抱えるサービスを提供することで、そこから直接利益を上げたり、ある程度のユーザー数を達成した後、買収されるのを狙うということも現実的な話です。近い未来の話として、Facebookのようにmixiがプラットフォームを公開すれば、ここの分母も増えていくことでしょう。


 ほかにWEBデザイナーとして生き残る道は、一般の企業内で情報管理・広報業務としてやっていくことです。どれでもない人々は、中国やインドと価格競争しつつ(以下略)。残念ながら最早それはデザイナーとは呼ばれないでしょうが。

nothing but speed [2008-05-20]

※以前はてなブログで公開していたブログ(札幌のデザイン会社はIPOの夢をみるか)の引越版です。このエントリーは内容的に古くなってます。hatena内のリンクが残ってたら見逃してください。。。

 ここ最近は東京の同業者(デザイン会社)の方とお会いする機会が多いのですが、普段自分ではわりとバリバリ仕事をこなしているつもりでいるにもかかわらず、自分がひどく呑気な人間のように感じられます。物事を進めるテンポにしても、その場で決断を下してTODOに落とし込んでいくやり方にしても、やはりこちら(北海道京)の経営者の方は全てがのんびりしていると思います。

 あちら(東京)では、割合重要な会議をしていても平気で携帯にかかってくる電話に出ます。席すら立ちません。しかし、計ったわけではありませんが、1分としゃべらずに何らかの指示を出して通話を終え、会議の話を再開します。

 また、例えば5人で打ち合わせをしていて、うち3人しか関係のない議題について話を始めると、ほかの2人はすぐに別の議題について話し始めます。関係ないけど黙って聞いていよう、などとは全くせず、決めるべきことをどんどん並列処理で進めてしまいます。

 マルチタスクを効率よく処理しつつ、かつ、ひとつひとつのタスクの処理も高いスピードでこなしていくのが、やはり競争力を保つ秘訣なのかもしれません。

 実際、やっている仕事を細分してみれば、我々(北海道のデザイン会社)がやっていることとさほど違いはないわけですし、何か特別なスキルやツールを用いて事にあたっているわけではありません。一定のクリエイティビティをきちんと保ったまま、量(というよりは密度)をこなしているように思われます。量というのは、つまりスピードのことです。

 幸いなことに、弊社で受ける案件は比較的スケジュールに融通がきくものが多いようですが、そのおかげでスピード感ということのプライオリティがかなり低いままこれまでやってきています。今後東京から仕事を引き離し、津軽海峡を越えて札幌まで持ってくる、ということを指向しているわけですから、スピード感のなさは致命傷となりかねません。

 ここはひとつ、東京の同業者と同じステージにあがって競争することで、いかに自分たちが「呑気」なのかを把握してみるのがいいのでは、と思い立ち、

デザインは付加価値か [2008-01-12]

※以前はてなブログで公開していたブログ(札幌のデザイン会社はIPOの夢をみるか)の引越版です。このエントリーは内容的に古くなってます。hatena内のリンクが残ってたら見逃してください。。。

 公的な機関が主催する製造業向けのデザインに関するセミナーなり勉強会なりで、よく「デザインによって付加価値をつける」という表現が使われる。助成金や補助金の資金使途のなかにも「デザインにより付加価値を付与するために〜」などといわれることもあるし、ちょっと経営に関して勉強している経営者も「デザインの付加価値で商品力を高めて」などと発言することもよく聞く。

 本来「生産」ということ自体を原材料の価値に対して価値を付加する(付加価値をつける)活動だとする意味合いがあるかと思いますが、ここでの文脈では違うように思われます(それだとその製造業の全ての活動を付加価値を付加する活動と表現しなければ矛盾する)。

 この場合の「付加価値」は見栄えによって増加すると思われる売上げ額、程度の意味で、「デザイン」の意味も多くの場合、見栄えをよくしてより売れるようにしよう、という程度の意味ではないでしょうか。

 個人的のこの手の考え方に非常に疑問があり、そういった発言を聞くたび発言者にその真意を(付加価値って何ですか?とか、付加する前の価値はどんなもんですか?とか)脊髄反射的に聞いてしまいます。

 その製品なりサービスが最初からもっている価値に対して、デザインという行程を経ることで向上する価値を「付加価値」と呼んでいるのかと思いますが、それではデザインという行程がないプロダクトはそもそも価値を有しているのでしょうか。

 例えば自動車を例に考えてみると、自動車の価値とは本来、

  • 人や荷物が運べること
  • 歩いてはいけない遠いところへ素早く移動できること

という基本的なことをベースとしており(一般的に市販されている自動車でこれを満たしていない自動車はないと思う)、これに加える形で、

  • より早く(単位:ps、kg/m、CD値等々)
  • より多く(3列8人のりとか)
  • よりラグジュアリィに
  • よりかっこよく

という要素が価値的差別要因の例となります。

この文脈だとデザインによる付加価値という発想は破綻がないように思われますが、ではデザインという行程を経ないで造られた自動車を思い浮かべることができるでしょうか。現在市販されている自動車からデザインという要素を排除して成り立つ自動車はあるでしょうか(どうしょうもないひどいデザインの車はありますが)。

 少なくとも現在のマーケットでは、

  • 人や荷物が運べる
  • 歩いてはいけない遠いところへ素早く移動できる

だけの自動車は求められていない以上、デザインという要素を排除した自動車製造は考えられません。つまり自動車の価値にデザインという要素は織り込み済みであり、不可分であると思います。自動車が本来もっている価値とデザインによって付加した価値は分けられない(同一である)と思うのです。

 そしてこれは自動車に限らず、これだけ成熟した日本のマーケットでは全てにおいて同じだと思っています。ユーザーを必要とする全ての製品・サービス・企業・事業・概念等々、それらの価値にデザインは不可分な要素として含まれていて、それは付加価値ではなく、それ自体の価値そのものだと思います。


 といった観点から、製造業の経営者の方には可能な限り早い段階(企画段階)からデザイナーを参画させて、一緒に「価値」を造っていく必要がありますよ、と説いています。中身を造った後で、外見をぺたっと貼り付けたり、かぱっとかぶせても、間違っても付加価値は生まれない、と思うのですがいかがでしょうか。

♪ Come / Prince

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Author:
浜垣靖幸(Yasuyuki Hamagaki)

北海道札幌市のデザイン&デザインマネジメントファーム、株式会社ノイエカ代表取締役(2005年より)。デザイン会社・グートグラフィカ(2001〜2005)設立を経て現職。

主にクライアント企業のビジョナリー化をデザインを用いて支援する業務、公共・行政機関、教育機関などのデザインマネジメント、アーリーステージ企業の情報戦略支援を本業とする。必要に応じてプロダクトやWEBなどのコンベンショナルなデザインも行う。

hmj@neueka.com