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スーツを迷彩服がわりに [2007-11-20]

※以前はてなブログで公開していたブログ(札幌のデザイン会社はIPOの夢をみるか)の引越版です。このエントリーは内容的に古くなってます。hatena内のリンクが残ってたら見逃してください。。。

デザイン会社であるにもかかわらず、弊社の男子はスーツ着用が決まり事。

たとえクライアントの打ち合わせがなくとも、たとえ一日中モニタと対峙する濃密な制作の日々であったとしても、会社にいるときはスーツ姿でいるルールです。

少なくとも知っている限りそんなことをしているデザインプロダクションは皆無(この地方都市では)なんですが、ジーンズにジャケット的ステレオタイプのデザイナーがクライアントの担当者レベルとの交渉にとどまっているのを尻目に、割合、弊社スタッフは決裁権を持っている方(中小企業においては社長と直接)とのアポ取りがスムーズな気がします。

ビジネスの入り口としては、まぁ、そんなものです。スーツをきちんと着こなし、名刺交換をつつがなく行い、いわゆる社会人レベルの言葉遣いや立ち振る舞いをすることで、ぐっと仕事がやりやすくなったりしています。

スーツはビジネスの世界にとけ込むための迷彩服のようなものと思っています。非常にレベルの低い話ですが、同じ話をするならノーネクタイにひげ面の人物よりも、自分らと同じスーツ&ネクタイの姿の方が話がしやすい、話が通じると思う人が多数派のはず。

で、実際それまで(プロダクションの社員として適当な服装でいたころ)は会える機会もなかった役職の方々とすんなり会うことができ、しかも具体的なビジネスの話もできるようになったり。なんて単純な世界なのだろう、と当時(7年前の起業時)は思ったものでした。

ビジネスの世界は単純です。

ベターと思われることをきっちり全てやれば、ある程度の結果は出るように思います。ただ多くの場合、なんらかのエクスキューズでやるべきことを回避してしまいがちです。

クライアントに定期的に報告を入れるとか、たまった資料を分類してファイリングしておくとか、早起きするとか、新規事業を考える時間を一日30分は確保するとか、デザインプランを1案余計に用意しておくとか、たまに運動するとか、とか。

ベターでしょ?

でもやってないんですよね。とりあえずスーツだけは着てますが。

♪ Ribbon In The Sky / Stevie Wonder

デザインはホスピタリティ [2007-11-19]

※以前はてなブログで公開していたブログ(札幌のデザイン会社はIPOの夢をみるか)の引越版です。このエントリーは内容的に古くなってます。hatena内のリンクが残ってたら見逃してください。。。

と、強く言い切ってしまいたい。

特にwebやアプリケーションのユーザーインタフェイスを構築するときに、どこまで本当にユーザーの使い勝手を掘り下げて考えられたか、おもてなしの気持ちでフローを組み立てたかで、サービス全体の善し悪しが印象づけられてしまうと思います。

企業などのwebサイトで見られるごくシンプルなお問い合わせフォームでも、スムーズに使えて気持ちのいいエクスペリエンスが得られるものと、そうではない、眉をしかめてしまうような代物が存在しています。その差はやはりそれを作った者のホスピタリティに対する考え方が大きく影響していると思われます。

もう十数年前ですが、ホテルマンのアルバイトをしたことがあります。駅前の大きなビジネスホテルで、客室数は400以上あったかと思いますが、夜間のフロントはたった3人しかいません。この夜間のフロント係というのをやっていました。(アルバイトとしては当時かなり高給の部類)

夜中のビジネスホテルというのは正にカオスで、定型化できない業務(トラブルともいう)が毎日毎日さまざまな形で降りかかってきます。酔っぱらいが暴れるなんていうのは序の口で、

  • こわい人が集団できて泊めろとすごむ(が、満室)
  • ロシア人が窓からテレビを放り投げる
  • オーバーブッキングで部屋が全然足りない(当然満室)
  • 霊がいるから部屋を変えてくれといってくるおばちゃん(が、満室)
  • 屋上で靴を脱いで下を覗き込んでいる人(・・・)

などなど、日替わりで起こる出来事に、基本的に自分たちだけで対処しなければならないわけです。

もちろん「幽霊が出た場合の業務フロー」なんてマニュアルにはないわけで、その都度「一番お客さんが納得できる解決方法」を素早く考えだして提示しなければ、クレーム(ホテルは一番これを恐れる)になってしまいます。

例えばオーバーブッキングで部屋が足りない場合、同系列や近隣のホテルにお客様を振り替えてそちらに泊まっていただくしかない(まさかロビーに毛布で寝てもらうわけにはいかない)ので、そうするわけですが、

  1. 謝る。ともかく謝る
  2. 理由の丁寧な説明
  3. 従って頂くためのインセンティブ
  4. 問題が起きないよう手配(関係先への連絡等)
  5. 同行した上でチェックイン等の手続きを代行
  6. 後日のフォローアップ

が、おおむね対応の合格ライン。

これを最小の労力で、

  1. 説明、案内、以上。

で終わらそうとすると、大変に問題があるわけです。

もちろん説明して振り替え先のホテルの地図でも渡せば事は済むわけですが、サービスを提供するほうとしては決定的に何かが足りていない。そしてそんなことをすればホテル全体(系列ホテルだったのでグループ全体)のイメージに傷がついてしまうことにも成りかねません。そんなホテルにまた泊まりたいと思う人はいないですし、友人や同僚に勧めるわけがありません。

が、恐ろしいことに

  1. 説明、案内、以上。

で済まそうとする、そして実際にそれしか実装されていないインターフェイスが割に存在しているように見受けられます。

これはもう、そのフローをデザインした人間の人生経験値が足りていないと思うわけです。きちんとしたサービスを受けたことがない人間が優れたエクスペリエンスを提供できるわけがない。


というわけで、会社スタッフでの「ちょっと背伸びしたとこでランチミーティング」(最近さぼってるけど)やら、「かなり背伸びしたとこでの忘・新年会」などを行うわけです。なにも美味しいものを食べるためだけにやってるわけではないのだけれども、「デザインはホスピタリティである。」ということをきちんと説明してなかった気がするので、単なる社長太っ腹ごちっすで終わっていたような。

反省。

♪Each And Every One / Everything But The Girl

情報断食で生産性は向上するか(Twitterはテトリスか) [2007-11-18]

※以前はてなブログで公開していたブログ(札幌のデザイン会社はIPOの夢をみるか)の引越版です。このエントリーは内容的に古くなってます。hatena内のリンクが残ってたら見逃してください。。。

 もともとITは生産性の向上に寄与するもの、という思いこみがあった。たしかにストレージをサーバにおいてモバイル環境をきちんと整えたことで、いつでもどこにいても(★1)最低限の仕事はできるようになったし、スタッフ間でおのおののスケジュールをリアルタイムに共有することで、効率的に業務の計画を立てられるようにもなった。わからないこと・知らないことは即座にGoogleやWikipediaが教えてくれるし、4年分のメールアーカイブに検索をかければ自身がいつ何をしていたのか、過去の自分自身が教えてくれる。

★1:出張でのったJRの中では無理だった。酔う。

 ここまではITリテラシーがそのまま生産性の向上に結びついていてなんの問題もないように思えるが、2つの困った状況に陥っていることに最近気づいた(本当はかなり以前からうすうす自覚していたはず)。

 ひとつは、意図的に「仕事ができない状況」を作らないと、ついずるずる仕事をしてしまうということ。ノートPCやらイーモバを常時携帯しているのもよくないが、そういうデバイスがそばにあり、電波が届いているにもかかわらず仕事をしていないと、例えそれが打ち上げの九州博多料理の店内であっても、湯の川温泉の客室露天風呂のあるホテルであっても、「さぼっている」ような後ろめたさが生じるようになってしまっている。

 当たり前だが、そんな状況で効率的な仕事ができるわけがない。

 もうひとつは、日々誕生する新しいサービスを華麗にスルーすることができなくて、かたっぱしからアカウントを作り、試してしまうこと。試してみて面白ければそれなりにはまってしまうし(ITリテラシーの問題ではない気もしてきた)、おかげで画面はAdiumやらSkypeやらTwitterPodやらで埋まりつつある。

 当然のごとく、仕事の効率はだだ下がり。

 生産性の向上の度合いが3だとしたら、反対の作用は1ぐらいで、水前寺清子嬢よりは2倍も効率いいものの、コスト換算してみるのが恐ろしい状況ではあると思う。

 かつて西側諸国の経済活動の停滞を狙って開発されたと噂された最強のトロイの木馬・テトリス。TwitterやJaikuなんかはIT系企業限定ではあるが、威力として(持続性は別として)テトリスっぽい気がします。ほどほどにしようかと。


♪ 曲名不明 / ラヴェル(たぶん



 

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Author:
浜垣靖幸(Yasuyuki Hamagaki)

北海道札幌市のデザイン&デザインマネジメントファーム、株式会社ノイエカ代表取締役(2005年より)。デザイン会社・グートグラフィカ(2001〜2005)設立を経て現職。

主にクライアント企業のビジョナリー化をデザインを用いて支援する業務、公共・行政機関、教育機関などのデザインマネジメント、アーリーステージ企業の情報戦略支援を本業とする。必要に応じてプロダクトやWEBなどのコンベンショナルなデザインも行う。

hmj@neueka.com