会社がピンチの時の特効薬(2/2) [2007-12-14]

※以前はてなブログで公開していたブログ(札幌のデザイン会社はIPOの夢をみるか)の引越版です。このエントリーは内容的に古くなってます。hatena内のリンクが残ってたら見逃してください。。。

前回からの続き。

 忙しいのに売り上げが増えない理由は、

  1. 儲からない仕事をしている
  2. 時間をかけ過ぎている
  3. 経費管理ができていない
  4. 実はそもそも仕事がない
  5. 仕事量にあった人員構成ではない

といったところだということを前回にのべた。

 しかしこれは状態の表面をなぞっているだけで、事象がある以上原因ももちろん存在する。ひとつづつ正面から検証してみる。方法は簡単で、それぞれの項目を疑問型にして自分に問いかけてみればよい。

なぜ儲からない仕事をしているのか

 自分の儲けがわからないからだ。WORKとBUSINESS。WORKERは与えられた仕事、目の前にあるコト/モノを片付ければそれで収入が得られる。だれかが売上やら経費やら利益を管理してくれているからだ。ぜひBUSINESSMANでいて欲しい。各自が少なくとも自分の仕事が「いくら」なのか意識していなければならない。今自分がしているのは「建設」なのか「雪かき」※なのかわかっていれば、労力の配分も考えるだろうし、危機感を持つこともできるはず。

※建設的仕事は創造により利益を生み出し、雪かき的仕事は維持作業により消耗するだけ、という定義

なぜ時間をかけ過ぎてしまうのか

 スケジュール管理が甘いから。その通り。ただし実際は別なところに原因がある。相手(クライアント)があることなので、どんなに綿密にスケジュールを立てても予定通り事が進むことはまずない。こちらの怠慢で作業が滞るのは論外だが、多くの場合「返事/決済待ち」や「原稿遅れ」がスケジュールを狂わせる要因だ。

 心がけるべきことは以下の通り。

  • 返事のしやすい質問をすること
  • 安心して決済できる情報を揃えてあげること
  • 例やテンプレートを提示して原稿出しを助けること
  • クライアントにあらゆる判断を丸投げしないこと!

 相手は本業ではないWEB制作を担当させられ辟易しているのかもしれない。(本来は)営業企画担当係長の方にいちいち「プルダウンメニューはマウスオンした時に出るようにしますか。それともクリックしないと出ないようにしますか。」などと判断を仰いではいけない。

なぜ経費管理ができないのか

 金額的な目標値が設定されていないからでは。べつに儲けなくてもいいのなら経費なんて管理しなくともよい。かかったらかかっただけ払えばいいのだ。だが残念なことに天下り財団と違って弱小企業である弊社は利益を出さなければならない。これは実はコミュニケーションの問題だ。会社がどのような状態にあり、どれだけの利益を必要としているのか、スタッフ各員のキャパシティに応じた目標値は、といったことをプレッシャーではなくモチベーションとして肯定的に伝える必要がある。

仕事が足りないのはなぜか

 営業が足りない?宣伝・広報が足りない?半分正解。正確には「売る商品がない」である。八百屋の商品は野菜だし、ガソリンスタンドはガソリンがメインの商品だし、葬儀屋は葬儀と世間体を提供する(立派な葬式という言葉からわかるようにあれは世間体商売だ)。わかりやすい。なのでそこには営業や広報の手法が存在し、営業マンも活躍の余地がある。翻って、デザイン会社の商品とはなんであろう。デザイン?それはどんな形をしているというのか。売り物として形が確立していないもの(=なんだかわからないもの)は、どんなに営業/広告宣伝したところで売れるわけがない。

 まずはデザインて何だ、を定義※する必要があるし、具体的なサービスとしてメニューアップできなければ話にならない。

※すでに「デザイン=情報に形を与えること」と定義してある(こちら参照)ではないか!

仕事量より人員が多いのはなぜか

 これは「売り上げに対して人が多すぎるのはなぜか」のミスリードである。そしてそれはつまり、「仕事が足りないのはなぜか」なのだ。ようするにコネや縁故やラッキーに頼って漠然と雛鳥になっていてはいけないということだ。なんと当たり前のことであろう。


 弊社が抱える問題の多くが、実はコミュニケーションの問題であることがわかる。経営者としてスタッフに伝えるべきことを伝え切れていないのが、このような様々な弊害を生み出しているのだ。信頼して全て任せるという態度はクールで大人のようではあるが、裏を返せばいちいちコミットしたくないという気持ちが透けて見えるのである。五月蠅いとかしつこいと言われるぐらいで経営者はちょうどいいのかもしれない。社長は嫌われてナンボ、という説もあるにはある。

 会社がピンチの時の特効薬。やはりそんなものはなく、結局のところ「普段からのコミュニケーションの確立」という、腹筋やスクワットに似た地味な体力作りしか会社を救いはしないのである、と思う。

 

♪ That's Really Super, Supergirl / XTC

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Author:
浜垣靖幸(Yasuyuki Hamagaki)

北海道札幌市のデザイン&デザインマネジメントファーム、株式会社ノイエカ代表取締役(2005年より)。デザイン会社・グートグラフィカ(2001〜2005)設立を経て現職。

主にクライアント企業のビジョナリー化をデザインを用いて支援する業務、公共・行政機関、教育機関などのデザインマネジメント、アーリーステージ企業の情報戦略支援を本業とする。必要に応じてプロダクトやWEBなどのコンベンショナルなデザインも行う。

hmj@neueka.com